こんにちは。サイコウブログです。
「新米がおいしくて、ついおかわりしてしまう…」「さんま、きのこ、さつまいも…秋は誘惑が多すぎる」「行楽の帰りに、ごちそうとお酒で胃がもたれた…」
10月は、食欲の秋。おいしいものがたくさん出回り、お出かけの機会も増えるので、つい食べ過ぎ・飲み過ぎになりがちな季節です。
でも実は、この時期の胃腸は、思っている以上に疲れているんです。今回は、秋に胃腸が弱りやすい理由と、食べ過ぎたときのケア、そして漢方を使ったサポートについてお話しします。
なぜ、秋は胃腸が疲れやすいのか
- 夏の間に冷えた胃腸が、まだ回復していない
夏は冷たい飲み物やアイス、冷房で、知らないうちに胃腸が冷えています。その疲れが残ったまま、食欲だけが戻ってくるのが秋なんです。
起こる変化
・食欲はあるのに、消化する力が追いついていない
・食べた後に、胃が重く感じる
・おなかが張りやすい
- 寒暖差で自律神経が乱れ、胃腸の動きが不安定になる
胃腸の働きは、自律神経にコントロールされています。朝晩と日中の気温差が大きい10月は、自律神経が乱れやすく、胃腸の動きも不安定になりがちです。
起こる変化
・胃もたれ、むかつきが出やすい
・下痢や便秘を繰り返すことがある
・食べ過ぎたときの回復が遅くなる
- 秋の食材は、意外と胃腸に負担がかかる
おいしい秋の食材には、消化に時間がかかるものも多いんです。
負担になりやすいもの
・新米、さつまいも、栗など、糖質が多く食べ応えのあるもの
・脂ののった、さんまや秋鮭
・きのこ類や根菜類など、食物繊維が多く量を食べやすいもの
・揚げ物、天ぷらなどの油もの
どれも体に良い食材ですが、「食べ過ぎ」になると胃腸の負担が一気に増えます。
- 漢方では、秋は「脾(ひ)」が弱りやすい季節
漢方では、胃腸の働きを「脾胃(ひい)」と呼び、体のエネルギー(気)を作り出す大切な場所と考えます。季節の変わり目や、夏の疲れが残るこの時期は、脾胃が弱りやすいとされています。
脾胃が弱ると
・食べたものがうまくエネルギーに変わらない
・疲れやすくなる
・体がだるく、重く感じる
・むくみやすくなる
秋の食べ過ぎ・飲み過ぎで起こりやすい症状
胃もたれ・胃の重苦しさ
食べた後、いつまでも胃に残っている感じが続きます。
胸やけ・むかつき
脂っこいものやお酒の後に、胃のあたりがムカムカします。
食欲不振
食べ過ぎた翌日、まったく食欲がわかなくなります。
おなかの張り・ガスがたまる
消化がうまくいかず、おなかが張って苦しくなります。
下痢・便秘
胃腸のリズムが乱れ、どちらかに偏ったり、繰り返したりします。
体の重だるさ・体重増加
消化の負担がかかり、疲れやすくなります。食べ過ぎが続くと、体重も増えやすくなります。
秋の胃腸を守る食事と生活習慣
- 食べ過ぎた翌日は、胃腸を休ませる
実践のコツ
・翌日の1食は、おかゆや、具だくさんの味噌汁など、消化に優しいものにする
・無理に3食食べようとしなくてもよい
・温かい飲み物(白湯、ほうじ茶)で、内側から温める
- 消化を助ける食材を上手に取り入れる
おすすめの食材
・大根(おろしにして、焼き魚や揚げ物に添える)
・山芋、かぶ
・生姜(すりおろして、味噌汁やお茶に)
・みかんの皮(陳皮、ちんぴ)を、お茶にして飲む
- よく噛んで、ゆっくり食べる
実践のコツ
・ひと口ごとに、箸を置く
・食事に15〜20分かける
・満腹の7〜8割で、やめておく
- 飲み過ぎには「合間の水」を
実践のコツ
・お酒の合間に、水や温かいお茶を飲む
・空腹でいきなり飲まない
・冷たいお酒ばかりにせず、温かいものも選ぶ
- 食後は、軽く体を動かす
実践のコツ
・食後すぐ横にならず、10〜15分の散歩をする
・ゆっくりしたストレッチで、おなかをほぐす
- おなかを冷やさない
実践のコツ
・腹巻きやカイロで、おなか周りを温める
・冷たい飲み物は控えめにする
・湯船にゆっくり浸かる
漢方で、秋の胃腸をしっかりサポート
秋の胃腸のトラブルは、体質や症状に合わせた漢方で、内側から整えることができます。
胃腸が弱く、食欲がない・胃もたれしやすい場合
六君子湯(りっくんしとう)
こんな時に役立ちます
・食欲がわかない
・食べるとすぐ胃がもたれる
・疲れやすく、体力がない
・みぞおちのあたりが重い感じがする
どんな働きをするの?
胃腸の働きを高め、消化吸収を助けてくれます。弱った胃腸を、じっくり立て直したい方に向いています。
食べ過ぎ・飲み過ぎで、胃が重く張っている場合
平胃散(へいいさん)
こんな時に役立ちます
・食べ過ぎて、胃がもたれている
・おなかが張って、苦しい
・舌に白っぽい苔がついている
・食欲がなく、体が重い
どんな働きをするの?
胃腸にたまった余分な水分や、食べ物の停滞をさばいて、胃の重さを軽くしてくれます。食べ過ぎ、飲み過ぎの後のケアに役立ちます。
胃のむかつきがあり、おなかがゴロゴロしやすい場合
半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
こんな時に役立ちます
・みぞおちがつかえた感じがする
・胃のむかつきがある
・おなかがゴロゴロ鳴る
・下痢や軟便になりやすい
どんな働きをするの?
胃腸の調子を整え、胃の不快感や、おなかの不調を和らげてくれます。お酒を飲んだ後の胃腸の不調にも、昔から用いられてきた漢方です。
おなかが冷えて、下痢や胃の痛みがある場合
人参湯(にんじんとう)
こんな時に役立ちます
・おなかが冷えている
・冷たいものを食べると、すぐ下痢をする
・胃が弱く、疲れやすい
・手足が冷えやすい
どんな働きをするの?
胃腸を温めて、働きを高めてくれます。冷えが原因の、胃腸の不調をやさしく整えます。
食べ過ぎが続き、便秘や体重増加が気になる場合
防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
こんな時に役立ちます
・食べ過ぎで、おなかまわりが気になる
・便秘がちである
・体力があり、体が熱っぽい
・脂っこいものを好む
どんな働きをするの?
体内の余分なものをめぐらせ、便通を整えてくれます。体力があって、おなかの脂肪が気になる方に向いています。
あなたの胃腸の状態に合った漢方を見つけよう
胃腸の不調は、人によって原因も症状も違います。冷えているのか、食べ過ぎなのか、疲れているのかによって、合う漢方は変わってきます。
当薬局などの薬局で、薬剤師さんに「食べ過ぎで胃がもたれて…」と相談すれば、あなたの体質と症状を見ながら、ぴったりな漢方を選んでくれます。
秋の胃腸ケアチェックリスト
・□ 食べ過ぎた翌日は、胃腸を休ませている
・□ よく噛んで、ゆっくり食べている
・□ 消化を助ける食材(大根、生姜など)を取り入れている
・□ 飲むときは、合間に水やお茶を挟んでいる
・□ 食後に、軽く体を動かしている
・□ おなかを冷やさないようにしている
・□ 必要に応じて、漢方薬を飲んでいる
全部できなくても大丈夫。いくつかを意識するだけで、秋の胃腸はぐっと楽になりますよ。
さいごに
食欲の秋は、一年のなかでも楽しい季節です。おいしいものを我慢する必要はありません。大切なのは、「食べ過ぎたな」と思ったときに、すぐ胃腸をいたわってあげることです。
温かいものを摂り、よく噛み、おなかを冷やさず、漢方のサポートを上手に使うことで、秋の味覚を最後まで楽しむことができます。
胃もたれや食欲不振で悩んでいるなら、当薬局に気軽に相談してくださいね。漢方のサポートで、実りの秋を元気に過ごすお手伝いをします。
あなたの健康を、応援しています!