こんにちは。サイコウブログです。
前回は「5月病の予防」についてお話ししましたが、今回は「すでに5月病になってしまった…」という方へ向けた記事です。
「もう頑張れない…」「何もやる気が出ない…」「体がだるくて動きたくない…」そんな気持ちになっているなら、あなただけではありませんよ。多くの人が同じ経験をしています。
大事なのは、そこからどうやって立て直すか、ということです。漢方と適度な運動の力を借りて、心身を少しずつ回復させることができます。今回は、その方法について、段階的にお話しします。
5月病の症状は段階的に現れる

5月病の症状には、いくつかの段階があります。自分がいま、どの段階にいるのかを理解することで、対策も見えてきます。
第1段階:軽い疲労感と不安感
こんな感じ
- 「なんだか疲れているな…」と感じる
- 朝起きるのが少し辛くなってきた
- 仕事や勉強に、少し集中できなくなってきた
- 理由もなく、ぼんやり不安な気持ちがある
この段階での対処法
- 無理をしない。「疲れているんだな」と自分に言い聞かせる
- いつもより1時間多く寝るようにする
- 好きなことをして、心をリラックスさせる
- 信頼できる人に「最近疲れているんだよね」と話す
この段階なら、生活習慣を少し見直すだけで、改善することが多いんです。
第2段階:明らかなやる気の低下と体の不調
こんな感じ
- 「やる気が出ない…」という気持ちが強くなる
- 朝起きられない、または寝られない
- 食欲がない、または食べても味がしない
- 頭痛や肩こりが続く
- 何をしても楽しくない気がする
この段階での対処法
- 医師や薬剤師に相談して、漢方薬のサポートを受ける
- 軽いストレッチやヨガで、体をほぐす
- 無理のない範囲で、散歩をする
- 栄養バランスを意識的に整える
この段階では、漢方薬が大いに役立ちます。自分に合った薬を選ぶことが重要ですよ。
第3段階:心身ともに深刻な不調
こんな感じ
- 毎日が苦しく、何もする気力がない
- 朝起きられない、または夜眠れない
- 食欲が完全になくなっている
- 涙が出たり、イライラが止まらない
- 仕事や学校に行くのが苦しい
この段階での対処法
- すぐに医師やカウンセラーに相談する。これは医学的なサポートが必要な段階です
- 無理に学校や仕事に行こうとしない
- 家族や信頼できる人に、今の状況を伝える
- 専門家の指導のもとで、漢方薬や必要な治療を受ける
この段階では、自分だけで対処しようとせず、専門家のサポートを受けることが大切です。
5月病に効果的な漢方薬

それぞれの段階に応じて、効果的な漢方薬があります。薬剤師さんに相談して、あなたの症状に合った漢方を選んでもらいましょう。
やる気がない、疲れた…という時
逍遥散(しょうようさん)
ストレスで落ち込んだ気分を整え、イライラや不安を軽くしてくれます。胃腸の調子も良くしてくれるので、食欲がない時にも役立ちますよ。
どんな時に効果的?
- なんとなく疲れている
- やる気が出ない
- イライラしやすい
- 胃腸が弱っている
寝られない、寝すぎてしまう…という時
酸棗仁湯(さんそうにんとう)
神経の興奮を鎮めて、深い睡眠へと導いてくれます。朝も気持ちよく目覚められるようになりますよ。
どんな時に効果的?
- 夜眠れない
- 朝早く目覚めてしまう
- 眠りが浅い
- 夜中に何度も目覚める
疲れが取れない、体がだるい…という時
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
体全体の「気」(エネルギー)を補ってくれます。疲労感が強い時に、体の元気を取り戻すのを助けてくれるんです。
どんな時に効果的?
- 十分に寝ても疲れが取れない
- 体がだるくて動きたくない
- 免疫力が落ちている気がする
- 疲労が続いている
気分が落ち込んでいる、心が重い…という時
半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
心の重さを取り除き、リラックスさせてくれます。不安感が強い時にも役立ちますよ。
どんな時に効果的?
- 気分が落ち込んでいる
- 心が重い
- 喉に違和感を感じる
- 不安感が強い
心身を立て直す、適度な運動

5月病から立ち直るには、運動も大切な役割を果たします。でも、「運動しなきゃ!」なんて無理してはいけませんよ。今のあなたにできる、優しい運動から始めることが大事なんです。
段階1:体を少しほぐす(本当に軽い段階)
こんなときにおすすめ
- 体を動かす気力がほぼない
- ベッドから起き上がるのも辛い
実践方法
- ベッドの上で、足をゆっくり伸ばしたり、丸めたりする
- 首や肩を、ゆっくり回す
- 深呼吸をする(ゆっくり鼻から吸って、口から吐く)
これだけで大丈夫。体を少しほぐすだけで、血流が良くなり、気分が少し楽になることもあるんです。
段階2:部屋の中での軽い運動(少し動く段階)
こんなときにおすすめ
- 少し体が動きやすくなった
- でも、外に出る気力はない
実践方法
ストレッチ
- YouTubeの「ストレッチ 5分」で検索して、軽いストレッチ動画を見る
- 無理のない範囲で、体を伸ばす
- 気持ちいい範囲で止める
ヨガ
- 朝起きて、布団の上で簡単なヨガをする(コブラのポーズなど)
- YouTubeの初心者向けヨガ動画を活用する
ラジオ体操
- 懐かしいラジオ体操もおすすめですよ
- 指を1本動かすだけからでも大丈夫
段階3:外への一歩(外に出る段階)
こんなときにおすすめ
- 少し体が楽になってきた
- 外に出る気力が少し戻ってきた
実践方法
ベランダに出る
- まずは、ベランダに出て、朝日を浴びるだけでいいんです
- 新鮮な空気を吸うだけで、心が少し軽くなりますよ
近所を散歩する
- 自分のペースで、ゆっくり歩く
- 無理して遠くに行く必要はありません
- 5分でも10分でもいいんです
好きな場所へ
- 好きなカフェに行く
- 好きな公園に行く
- あなたが「気持ちいい」と感じる場所へ
段階4:本格的な運動(心に余裕が出てきた段階)
こんなときにおすすめ
- 体と心に、ある程度の余裕が出てきた
- 運動をすることで、さらに気分が良くなる段階
実践方法
散歩
- 週3~4回、20~30分程度
- 公園や緑の多い場所を選ぶ
- 友達と一緒でもいいし、一人でもいい
軽いジョギング
- 疲れない程度のペースで
- 無理して速く走る必要はありません
水中運動
- プールで泳ぐ
- 水中ウォーキング
- 水の中での運動は、心身をリラックスさせるのに最適です
運動をするときのコツ
無理は禁物
- 「やらなきゃ」という気持ちで運動すると、逆にストレスになります
- 気が向いたときだけ、気持ちいい範囲で
朝の運動がおすすめ
- 朝日を浴びながらの運動は、体内時計をリセットするのに最適です
- 1日を気持ちよく始められます
一人じゃなくて大丈夫
- 友達と一緒に運動するのもいいですよ
- 誰かと一緒なら、続きやすいこともあります
食事を整える大切さ
5月病から回復するには、栄養も大事な役割を果たします。
食欲がない時
無理して3食食べようとしなくていいんです。
実践方法
- バナナ一本でいい
- 好きな果物を食べる
- 栄養ドリンクを飲む
- スープを飲む
- とにかく、何か口に入れる努力をする
食べられる時に、食べられるものを食べる。それで十分なんです。
少し食欲が戻ってきた時
栄養バランスを意識してみましょう。
おすすめの食べ物
- トリプトファンを含む食べ物(バナナ、大豆製品、卵)
- ビタミンB群を含む食べ物(豚肉、マグロ、ほうれん草)
- マグネシウムを含む食べ物(ナッツ、海藻、豆類)
- 消化に優しい食べ物(おかゆ、うどん、白身魚)
実践方法
- 無理に全部そろえようとしない
- 好きなものの中から、栄養のあるものを選ぶ
- 温かい食べ物が、心にも体にも優しいですよ
心を整える
完璧を目指さない
「5月病なんて、すぐに治せばいい」なんて思わなくていいんです。回復には時間がかかります。
大切なこと
- 今のあなたは、新しい環境に頑張ってきた証拠
- その疲れが出ているだけ
- ゆっくり、ゆっくり回復すればいい
誰かに頼る
- 親に「疲れているんだ」と話す
- 友達に「今、調子が悪いんだ」と伝える
- カウンセラーや医師に相談する
一人で抱え込まないこと。これが本当に大事なんです。
小さな喜びを見つける
- 好きなドラマを見る
- 好きな音楽を聴く
- 好きな本を読む
- 好きな人に会う
今は、こんな小さなことが、心の栄養になるんです。大切にしてあげてください。
5月病から回復するまでの目安
第1~2週間
症状がピークの時期かもしれません。無理をせず、休むことに専念してください。
心がけること
- 無理に学校や仕事に行かない
- 十分な睡眠
- 医師や薬剤師に相談する
第3~4週間
少しずつ、体と心に変化が現れ始める時期です。
心がけること
- 軽い運動を始める
- 食事を少しずつ意識する
- 外に出る機会を増やす
1ヶ月以降
本格的な回復の時期です。
心がけること
- 生活リズムを整える
- 運動をもう少し本格的にする
- 学校や仕事に戻る準備をする
ただし、これはあくまで目安です。人によって回復のペースは異なります。焦らず、自分のペースで進めることが大切ですよ。
医師や薬剤師に相談するサイン

次のような時は、迷わず相談してください。
- 2週間以上、症状が改善しない
- 自分を傷つけたいという気持ちが出ている
- 症状が日に日に悪くなっている
- 毎日が苦しく、生活ができていない
これらは、専門家のサポートが必要なサインです。恥ずかしいことではありません。むしろ、早めに相談することが、回復への近道なんです。
さいごに
5月病は、決して「甘えじゃない」病気です。新しい環境に必死に適応してきたあなたの心身が、疲れているだけなんです。
大事なのは、その疲れを認識して、ゆっくり、ゆっくり回復させることです。漢方と適度な運動、そして栄養と休息の力を借りれば、必ず回復します。
今は苦しいかもしれません。でも、この時間も、あなたの人生の一部です。焦らず、自分に優しくしてあげてください。
当薬局でも、5月病に関するご相談をお受けしています。気になることがあれば、いつでも気軽にお話しください。一緒に、この季節を乗り越えましょう。
あなたは決して一人じゃないんです。応援しています。
※この記事は一般的な情報提供を目的としています。症状が強い場合は、医師や心理カウンセラーへの相談をおすすめします。